桃夭日記(仮)

ほぼ自分用

進捗報告(2022.4)

 実は、このブログはそこまで使わないだろうし閉鎖してしまおうか、と考えていた。だが、京大の入学式の総長の挨拶を聞いて、ハッとしたところがあった。

もう一つお話ししたいのは、「自己表現」、特に文章を書くということについてです。現代は情報社会と言われ、人と人とのコミュニケーションがSNSを中心にネット空間を介して瞬時に行われるようになっています。ここではスピードが重視され、多くの意志伝達はできるだけ短い簡潔な文章で行われます。これは情報伝達という意味では非常に効果的かもしれません。しかし他方で、ゆっくりと時間をかけ、何回も語句や表現の修正を重ねながらしっかりとした文章を練り上げるという機会がだんだん失われてきているのも事実ではないでしょうか。じっくりと文章を作るという過程には、いくつかの重要な意味がありますが、そのひとつは、自分の思考や感情を繰り返し検証するということです。この検証というプロセスは重要で、そのためにはその基礎となる正確な知識や十分な内省が必要となります。私たちが入手する情報にはしばしば外的なバイアスがかかっています。このバイアスは「偏り」を意味し、先入観や偏見とも言えます。そのような偏った情報が私たちの合理的な判断の妨げとなることも少なくありません。じっくり文章を作っていく過程は、自分の思考や感情をできる限りこうした認知バイアスから解放し、あるべき本来の自己を確認し作り上げていくプロセスであると言えるでしょう。

令和4年度学部入学式 式辞(2022年4月7日) | 京都大学

 このブログが文章をきちんと書く場になるのかはわからない。しかし、(半ば明らかなことだが)ただ漫然と舵を切るよりは、自分の学習の遍歴を振り返り、言語化した上で今後のランドマークを定めた方がよっぽど安全である。少なくとも浅学で凡庸な自分にとって、箇条書き程度でも振り返りは必要だろう。

 

 前置きはこれくらいにしておく。

【今月の成果】

    • 杉浦光夫『解析入門Ⅰ』 第2,3章(多変数微分積分)途中まで
    • 斎藤正彦『線形代数入門』 第5章(二次形式)まで
    • 松坂和夫『集合・位相入門』 第4章(直積位相)途中まで
    • 志賀浩二『位相への30講』 通読
    • 植松恒夫他『基幹講座物理学 力学』 回転座標系、万有引力関連をかいつまみ
    • 清水明『熱力学の基礎』 第8章まで
    • 谷村省吾『量子力学10講』 最初の50ページだけ
    • 須藤靖『解析力学量子論』 解析力学パートの途中(ポアソン括弧くらい)まで

【反省】

  1. ほぼ毎日引きこもって進めていたせいで、言語化が十分できていないことが判明した。(特に数学基礎論。物理も不安)普段の学習で独り言を言いながら書いたり,複数人で勉強したりして意識的に変えていくほかない。
  2. 先月の反省を踏まえて、物理の時間を増やしたのはよかった。
  3. かなり多くの分野をかじった。モチベーションも続きやすく、躓いてわからなかったところでも見通しがよくなることがあるかもしれないので、このスタイルで続けたい。後は課題の量と自分の能力限界と相談。学習の濃淡はもう少しつけた方がよい。
  4. どこかで復習の時間を設けるべき。土日か試験期間にとる予定。授業の講義と課題でもできる。
  5. 実は4月上旬に『集合・位相入門』で挫折を経験している。そのことで教授に相談に行き、『位相への30講』を薦めてもらった。*1我ながら行動力があったと思う。
  6. ベクトル解析は授業でも現在進行でやっているので心配はない。テンソル解析でも多分同じようなことをやる。
  7. 大学には割と早く慣れた。
  8. タイピングの速さが上がった。練習の成果。数式をwordで打つときに逐一手間がかかっていることがストレスになっているのでLaTeXを早く身に着けるべき。
  9. 漢文学に戻りたい。
  10. 人と話す機会に乏しい。

【来月の目標】

  1. 「独り言勉強」の実践(流石に家でしかしないが)、ゼミや勉強会に参加。
  2. 語学の勉強を増やす。
  3. LaTeXの習得。
  4. 微積、線形、集合論の復習。夏までを目途に
  5. 熱力学を進める。電磁気学も余裕があれば触れておきたい。

*1:長い歴史の中で贅肉を削ぎ落とされた、骨だけの”構造”を読者に提示するのが数学書の役割の一つである。そのため、数学者たちが種々の概念を発明するに至った動機は捨象されてしまう。特に位相空間論の場合に顕著な傾向である。志賀先生の『位相への30講』はその点を金輪際丁寧に具体化しようとしていてわかりやすかった。位相空間のイメージが湧かなくて悩んでいる方には一読してもらいたい。